ごあいさつ

第35回日本低温医学会総会ご挨拶

日本低温医学会も平成20年には第35回開催に至り,長い伝統を感じております。
その総会のお世話をさせていただくことになり,身の引き締まる想いでおります。
そのうえで此の度,改めて,これまでの低温医学の発展の経緯や変遷を考え直しております。
私が初めて本学会に参加,入会致しましたのは1983年で,すでに25年を経ておりますが,当時から多専門領域の研究者が集まって学会が運営されておりました。
現在では各分野においても研究の多様性と発展性から横断的領域の専門診療分野や研究が切望されておりますが,本学会は開設当初から横断的領域の学会であったと理解しております。その故に学会運営は難しい部分もあったかと存じますが,先進的な理念の下に結集された隅田理事を始めとする先人の先見性に深く感銘を改めて受けております。
現在はその学術内容から17分科会に分類され,極めて広領域の専門分野で,低温医学が研究,臨床応用されております。細胞保存からスタートした低温医学も実質的に臓器・組織の保存やcryosurgeryの分野まで拡大しつつあります。保存に関する分野も血液,生殖細胞に端を発し,将来の再生医学への素材となる細胞保存にまで領域は拡大してきております。そして,実際の臨床の場ではこれらの細胞を利用した治療や研究が各専門領域で活発に行われてきています。

しかし,同時にこの低温医学分野に新たな問題も発生していないとは言えません。生殖医学領域では,保存した生殖細胞の所有権と治療の決定に関わる倫理と法律の問題が生じてきており,死後生殖については最高裁判決に至る論争も生じています。今後,バンクとしての保存,供給事業を行ううえで法的視点からも熟慮して体制整備を行ってゆく時期が到来しており,これらの問題にも焦点を当ててゆきたいと考えております。

平成20年11月22〜23日に東京の六本木ヒルズ49階での開催を予定し,鋭意準備を進めております。多くの皆様のご参加と活発なご討議の場として盛り上げてゆきたいと切に願っております。
領域が異なると配慮の行き渡らないことも多々あるかと存じますが,その際には寛大なご容赦をお願い申し上げます。皆様のご指導およびご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。

第35回日本低温医学会総会会長
末岡 浩


総会事務局

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